わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
とりあえず後のことを少し決めて、みんなで光の渦の前に立つ。
「……………………」
本当にこれで出られるのか…。
その不安が、少なからずと胸をよぎる。
「……………俺が、最初に行く」
心を決めた様子の悠人くんが、前へ進み出た。
そして、光の渦に思いっきり手を突っ込んだ。
「………………大丈夫…みたいだな」
どうやら先には空間があるらしく、突っ込んだ手先は見えないが、痛みなどはないようだ。
簡単に手を引き抜くことも出来るし、とりあえずはまた変なところへ送られて戻ってすら来れない…なんてことはないみたい。
「………じゃあ…行くぞ」
その言葉と共に、悠人くんは光の渦へ足を踏み出した。
光の渦に触れたところから、悠人くんの身体が見えなくなっていく。
まるで吸い込まれたかのように、悠人くんは光の渦に消えていった。
「………………じゃあ次は、私が行くわ」
朱里さんが後に続いて、光の渦に姿を消す。
残りは私と狛くんだけ。
「えと…どっちが先に行く?」
「は?………君が行けば」
「………うん。じゃあそうする…」
ごくり、と唾を飲み込んで、光の渦に手を伸ばす。
大丈夫。
きっと帰れる。
その思いを胸に、光の渦に勢いよく飛び込んだ。