わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
ソトノセカイ
「芽衣」
「あ、朱里!」
あれから1ヶ月が経った。
警察に根掘り葉掘り聞かれたけど、それでも何も覚えていないと押し通して。
なんとか警察が諦めるまで知らぬ存ぜぬを突き通した。
真実を知っている私たち3人は自然と一緒に行動することも多くなって、つい1週間ほど前に再開された学校でも大体3人はくっついていることが多い。
おかげで呼び方も呼び捨てである。
「学校が再開して1週間…やっと日常らしき日常が戻ってきた感じがするわね」
「うん…最初は友達にも心配され過ぎてて、騒がしくて授業にもならなかったもん」
私たちの性格は別に臆病になったわけでも、周りを常に警戒するようになったわけでもなく、何も変わらない。
ただ、1つだけ変わったことがあって。
「芽衣、朱里、勉強教えろ!
ここわかんねーんだよ」
「はぁ?悠人、あんた昨日もここわかんないって言って教えてあげたじゃない。
学習しなさいよ」
「まあまあ…悠人が勉強する気になっただけ成長だよ」
「芽衣、そこはかとなくバカにされてる気がするのは気のせいか?」
「あれ、バレた?」
「………………」
そう、悠人くん…もとい、悠人の性格。
いや、本質的には変わってないんだろうけど。
今までずっとサボってきた勉強をやったり、私たちと積極的に話していたり。
前まであった寄せ付けない雰囲気?って言うものがなくなった。
よく笑うし、毒を吐くことも一切しなくなったのだ。
周りの人も、少しずつ悠人に話し掛けるようになったし。