わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「……そーいえばだけど…。
狛って…どうしたんだろうな」
唐突にそう呟いた悠人に、思わずぴくりと反応してしまう。
………狛くん。
結局あのあと、狛くんだけは帰ってくることがなかった。
遺体も見付かっていない。
つまり、死んではいない…と思うんだけど。
なんの音沙汰もなく…存在が、消えているのだ。
警察に聞いた。
あの………行方不明になったのは、私を含めて8人…ですよね?
―――いいや、君を含めて7人だよ。
警察が挙げた私たちの名前に、狛くんは含まれていなかった。
記憶の混濁だろうと言われはしたけど、そうじゃない。
確かに狛くんは私だけじゃなくて、朱里や悠人の記憶にも存在している。
だけど、誰に聞いても狛くんのことを知る人はいなくて。
「狛くんって…何者だったんだろう」
考えれば考えるほど、疑問は増えるばかりだった。