わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
私が言い終わるのと同時に、狛くんが音楽室の扉を躊躇いもなく開いた。
ガラッと音が鳴ってから、その場は静まり返る。
今、ここで遺体が見つかったって話をしてたのに…よく怖くないなぁ。
もちろん室内には遺体なんかないし、むしろピカピカに掃除されているけど。
それでもなんだか怖い。
「…………。で?終わり?
それだと休校の理由になってないけど」
「あ、ごめん!ボーッとしてた!
まだ続きがあるから!!」
いつの間にか音楽室の外にいる狛くんに慌てて返事をすると、私は駆け出した。
無理。
遺体が見つかった場所に一人でいるとか、怖すぎて本当に無理。
狛くんに追い付いた私は、どこまで話したかを思い出すように考え込んでから、話を始めた。
「………3日目、1階の廊下…空き教室の前で、智哉くんの遺体が見つかった。
私たちが学校に行く前に先生が見付けたからその日の学校は無くなって、その遺体を見た生徒はいないんだけど…。
噂では、心臓が握り潰されていたんだって」
流石に2人目が見付かったとなれば学校を再開するわけにもいかず、そこからは休校。
それが、昨日まで続いていたんだ。