わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
バタバタと廊下を走る音がきこえる。
「いたっ…痛い…!!
やめろ!!やめろっっ!!!」
引き続き、叫び声も聞こえてきた。
なに…?
先生は…何かから逃げているの?
だとしたら何から…?
「だ、誰か!!助けて…!
誰か…ひぎゃっ…!!」
……………。
蛙が潰れたみたいな小さな嗚咽の後、廊下からは何も聞こえなくなった。
そーっと、扉の小さな隙間から廊下を覗く。
そこに渡辺先生の姿はない。
かわりに…髪の毛で前後ろがわからないような、見たこともない不気味な女の子が遠目からでも確認出来た。
「渡辺先生…?
どうかしましたか……って、うわああぁっ!?」
渡辺先生の声を聞いて来たのか、生徒玄関側から歩が歩いてきた。
だけど、その女の子に気付くと驚いたように悲鳴をあげ、後ずさりをした。