わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
ここからじゃ暗くてよく見えない…!
よくわからないけど、きっと何か恐ろしい事が起きているのだと言うことだけはわかる。
「―――…の…………い…?」
「うわああぁっ、うわぁあ!!?」
女の子の声は小さくて聞き取れなかったけど、なにかを呟いたのは聞こえた。
歩は、生徒玄関の方に引き返していく。
女の子も歩を追いかけて、そちらに走っていった。
…………………もう、大丈夫…かな?
「………望絵…多分もう大丈夫…」
「ぷはぁ……っ!
何々、何が起きたの…!?」
声だけじゃなく息まで止めていた様子の望絵が、急いで空気を吸う。
なんで息まで止めてたの…。
「…わからないけど…とにかく、ここを出よう」
周りを警戒しながら、するりと準備室から抜ける。
先生はどうなったのだろう…?
なんか…嫌な予感がする。
見てはいけないって…私の本能が訴えている。
そんな気がした。
「……………っ!?」
本能のままうつ向いて歩く私は、多分もう先を見てしまったのであろう望絵が口を抑えて座り込むのを見た。
背中を丸くして、震えている。
…………怖い。
見るのが怖い。
でも…それじゃあ家庭科室からは出られない。