わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「…………………」
少し、薬品のにおいがする。
色々あるからそりゃそうなんだろうけど…。
あんまり長居はしたくないかな。
棚が並ぶ準備室の、奥の方へと入っていく。
一応…なんにもいないよね?って確認。
音を立てずにそーっと棚と棚の間を覗いて、奥へ奥へ。
そして、最後の棚と、その向こうの壁にくっついた棚の間を覗こうとしたときだった。
―――ガシャンッ!
「っ!!」
たった今覗こうとしていたその空間から…何かを落としたような音が聞こえた。
瓶を落として割れてしまったような音。
その直後に、聞き覚えのある声が聞こえた。
「うわっ、なんだこれ…!
チッ、濡れたじゃねーか」
「…………………。
悠人くん………?」
「あ?」
棚の影から顔を出して確認してみると、やっぱり悠人くんだった。
下には割れた瓶と、飛び散った薬品。
「………だい………目……ちょーだい…」
「っ!!!」
廊下から、かすかに聞こえた声。
まさか…今の音で気付かれた……!?