わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「悠人くん!逃げよう!」
「は?」
「お願い!音をたてないで!
声も出しちゃダメ!
走ろう!」
「え、お、おい!?」
グッと悠人くんの腕を掴み、準備室の扉へ走る。
普段の悠人くんは絶対「ふざけんな」とかって手を振り払うだろうから一瞬後悔したけど、何故か今は無言でついてきてくれている。
チラリと廊下を確認するとやっぱりこちらへ向かってきている少女の姿が見えた。
多分…気付かれてない。
このまま音をたてずに逃げれば大丈夫。
引き続き悠人くんの腕を引きながら、私は階段を降りた。
2階…確か紙には図書室もあったから、そこを調べよう。
図書室の真上が理科室だけど、小声で話せば多分大丈夫…かな?
考えなしに2階へ降りてきちゃったけど、1階にはもう調べるところなんてないし、図書室くらいしか思い付かない。
パソコン室もあるけど、紙には無かったしな。
色々考えた結果、私は図書室に入ることにした。