わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「ふう……あ、引っ張っちゃってごめんね」
一息ついてから、私は悠人くんの腕を離した。
思わず引っ張ってきちゃったけど…相手はあの毒舌男だ。
置いて行くわけにも行かなかったけど、ここで叫ばれても困る。
「いや………それよりもさっきのやつ…何なんだ?」
「え?」
………………あれ?
文句の1つや2つ、言われるかと思ったんだけど…。
悠人くんとはあまり話したこともなかったから、噂による偏見ってやつかも。
いけないいけない…。
「うんと…はっきりとはわかんないんだけど、多分幽霊かな」
「ゆ、幽霊………。
じゃあさっきの先公の叫び声……」
「あ……………うん…………きちんと見てはいないけど、死んじゃったんだと思う…」
「はぁ!?死んだ!?」
「ちょ、悠人くん!!静かに!!!」
「……っ!」
恐らく幽霊=死に直結していなかったのであろう悠人くんの大声を慌てて止める。
気付かれてない…よね………。