わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「走って!」
エレベーターのドアがまだ完全に開ききってない状態でドアをすり抜けた私は、一言そう叫んで駆け出した。
『あの子』は大声を出した私についてくるはず。
その間に二人は逃げれるよね?
あとは…私がどうやって撒くか。
音を出さずに隠れればいいんだよね?
4階は朱里さんや桜ちゃんがいるかもしれないからダメ。
階段をおりる?
それともこの階にとどまる?
あぁ、迷ってたらどっちも出来なくなる!
「おい!足おせーな!
もっと早く走れねーのかよ!?」
あれっ!?
いつのまにか望絵も悠人くんも私に追い付いてる!!
望絵がものすごく足が早いのは知ってたけど…私めっちゃ足手まとい!?
これでも必死に走ってるのに…。
迷いなく下におりた望絵と悠人くんを見て、私もなんとかついていく。
「芽衣、悠人、ここに隠れよ!」
「!」
望絵が一足先に2階の空き教室に駆け込む。
それにならって、悠人くん、私、と教室になだれ込むように駆け込んで、静かに扉を閉めた。