わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「ねぇ悠人くん…」
「あ?」
「………『何?』」
「はぁ?こっちが聞きてえよ。
話しかけてきて『何?』ってなんだよ」
………………。
決まりだ。
これは悠人くんじゃない。
これは『この子』だ。
「ううん、なんでもない。
わかった。じゃあ悠人くんに『あの子』は任せるね」
「おう。いくぜ!」
瞬間、バン!と大きな音をたてて教室の扉が開いた。
『この子』が開けたのだ。
「おい!!『あの子』!!
こっちだバーカ!」
「…………目、ちょーだい…」
『この子』が悠人くんの声で叫ぶ。
『あの子』はそれについていって、1階に降りていった。
「…………望絵。
何も言わずに私についてきて」
「え……?う、うん…?」
…………『あの子』の音も、『この子』の音も、何も聞こえない。
きっと下でスタンバイしている。