わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
私は望絵の腕を引いて、階段をかけあがった。
3階は通りすぎて…4階まで。
3階まではパタパタと足音をたてて、4階に行く時はそーっと歩いてきた。
階段の影から、じっと3階を見つめる。
私の予想があっていれば、もうすぐ『あの子』は階段をあがってくる。
そして、配膳室に向かうはずだ。
ペタ………ペタ………
来た!
良かった、気付けて…。
もし本当に配膳室に行っていたら…『あの子』に殺されていただろう。
合い言葉、結構使える。
「目……………ちょーだ…………」
ペタ……………ペタ……………
『あの子』が階段を通りすぎ、配膳室のある方へ向かっていく。
完全に音が聞こえなくなったところで、ふぅ、と息をもらした。
チラリと望絵を見ると、廊下を通った『あの子』に驚いている様子。
………まずは、望絵に説明するところから始めなきゃなぁ。