わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜



「望絵、合い言葉だけど…。
どっちかが『何?』って聞いたら、まず『人間』って答えるの」

「……………『人間』?
なにそれ…変なの……」

「うん、それは私も思った。
けど役に立つんだからいいじゃん!」


まぁ…と曖昧な返事をする望絵。


『この子』が絶対に答えられないような変な合い言葉だからこそ役に立つもの。


カンで答えられちゃったらそれこそ本当に意味がないからね…。


悠人くんはその事を考えてこの合い言葉にしたのかな?


…………………。


………いや、ただの冗談な気がする…。


「とりあえず朱里さんと桜ちゃんと合流しよっか。
二人一緒にいてくれると嬉しいんだけど」


ついでに途中で別れてない、ずっと一緒だった…ってなら『この子』じゃないってわかるんだけどなぁ。


まずは二人を探さなきゃ。


私たちが1階、2階をすべて探索し終わったくらいだからまだ4階にいるとは限らないし、すれ違いになった可能性だってある。


階段の踊り場で息を潜めていた私たちは、こそこそと階段をのぼりきり4階に移動した。




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