わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「も、望絵…。
私が『あの子』に追われて技術室を出ていった後、望絵はどうしたの…?」
そういえば望絵と会ったとき、私からは説明したけど望絵のことは一切聞いてなかった。
渡辺先生が生きてたってこと、望絵は気付かなかった…?
「え…えっと…あたしは………。
しばらく腰抜かしてて、動けなくて、芽衣が出てったドアをただ見つめてた…。
それから我にかえって逃げなきゃって思って………あ」
「なに?望絵…何か思い出した?」
サーッと青ざめていく望絵に問いかける。
「あ、あたし……見たの……!
渡辺先生が…生きてるとこ………」
「えっ!?」
望絵はよほど思い出したくないのか、頭を抱えてうずくまる。
それでも必死に言葉にしようとしているようだった。
「一瞬だったけど……確かに目が合ったの!
細かくはわからないけど手足はもう無かった…と言うか、多分あったと思うけど、肉片で………!」
うっ、と望絵が呻く。
思い出したのだろう。
「でも…胴体は見た感じ大丈夫だった…。
なんか…急所だけは避けてるような、そんな感じがしたの」
「うん、うん……そっか。
望絵、もういいよ。
わかった…ありがとう」