わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
これ以上思い出させると望絵が吐いてしまいそうで、多少無理矢理かもしれないけどお礼を言って話を終わらせた。
急所だけは避けてる………。
『長い間苦しんでから死ね。私の苦しみを思いしれ』
今はスピーカーから音なんて聞こえてなかったけど、どこからかそんな声が聞こえたような気がした。
きっと、それが佐久間さんの思い。
その思いを受けて、渡辺先生は死んでしまった…。
「………考えてても仕方ないね。
望絵、音楽室に行こう」
「え…………………。
…………………。…………うん」
何か言いたげに口を開いた望絵だけど、言葉を飲み込むようにして私の言葉にうなずいた。
きっと、『あたしが渡辺先生を見捨てたんだ』とか思ってるんだろう。
でも、それだったら私だって見捨てて逃げたわけだし…いや、その結果追われたんだけど。
私だって同罪になる。
とにかく今はそれを気にしている場合じゃない。
早く進まなきゃいけないの。
私はともかく、巻き込まれたと言ってもいい望絵と完全に巻き込まれただけの狛くんには絶対に死んでほしくない。
だって、二人はなにもしてないのに…こんなのって、おかしいでしょ?
佐久間さんにも『ついで』と『なんとなく』って言われてたし。
そんな理由で殺されたらたまんないよ。