わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「朱里さん…桜ちゃん…いるー…?」
小声で呼び掛けながら入った音楽室。
ここあさんの遺体が見つかった場所だからってのもあるけど、やっぱり昼間と違って怖さが増している。
普段はなんとも思わない壁に掛けてあるベートーベンやモーツァルトの絵も怖いし、なによりピアノが今にも鳴り響きそうで怖い。
…………。
いやいや、フラグじゃないよ?
本当に鳴り響かれたら困るし。
「いなさそうだね。
次は…あ、第二音楽室にも行こっか」
音楽室と丁度隣り合っている第二音楽室。
入って、キョロキョロと教室を見回すも誰もいないみたいだ。
「ねぇ、芽衣」
「ん?」
ドア付近で声をかけてきた望絵に振り向く。
けど、望絵は私に背を向けていたため表情はわからなかった。
………背を向けている?
なに、何かあったの?
「何か…聞こえる」
望絵がそういって耳を澄ますから、私もそれを真似る。
「………………、ちょーだい……」
ま、また『あの子』なの!?
何回蜂合わせれば気がすむの!!!