わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜




最後に望絵を見ようと顔をあげた瞬間、隣にいた望絵が大声を出した。


思わず耳を塞ぐ。


涙で視界はボヤけているけど、望絵が必死なのは伝わってきた。



「ねぇ佐久間!!聞いてるんでしょ!?

芽衣はねぇ、あのいじめっ子たちに言ったんだよ!?
『佐久間さんが死んだのはあなたたちのせいだ』って!!

どれだけ芽衣が勇気を出したのかわかる!?
わかるよね!?
次のいじめの標的になるかもしれないのに、芽衣は言ったんだよ!?」



…………望絵。


違うよ…望絵。


確かに言ったけど…もう遅かったんだよ。


遅かったなら、意味なんてないんだよ。


「望絵…ありがとう。
でも、もういいよ。遅すぎたよね。


佐久間さんが本当に聞いているのかはわからないけど………最後に謝らせてくれる?


ごめん…ごめんね、佐久間さん。
見て見ぬふりされて、辛かったよね…。


いいよ、殺して…殺されても仕方ないことを私はしたんだよね」


まだ死にたくないって気持ちはあるけど。


でも、涙が止まらないのはきっとそれが理由じゃない。


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