わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「めーいっ!お帰り!
学校案内おつかれーっ!」
「あ、望絵。ただいま」
教室に戻ったとたん、待ち構えていたかのようにバシッと私の背中を叩いた望絵が、にっこり笑う。
意外と痛いから、叩くのやめてほしいんだけど…まあいいか。
「狛!あんた、芽衣に変なことしてないでしょーね!?」
「もーえー?
なんでもそっちの話に持っていこうとするのやめてって言ってるよね?」
「えぇー。
可愛い可愛い芽衣ちゃんの事だから心配になったんじゃないか!!」
「望絵………ちゃん付けとかきもっ」
「うわ、酷い。せんせー芽衣がいじめてきまーす」
と、茶番をやっているうちに狛くんは何処かへ行ってしまったようだ。
そういえば全然関係ないけど、望絵って珍しい漢字だよね。
私最初、『もえ』なのに『のえ』って読んじゃって…それが私たちが仲良くなったきっかけ。
がさつな望絵は笑って許してくれたけど、もし神経質な子だったら…とか考えて今でもたまに冷や汗をかく出来事。