わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜



よし、そのまま…!



そう思った瞬間、背後から靴の音がした。


『あの子』もそれに反応して、せっかく行った道を戻ってくる。



「ごめんね、芽衣!おまたせ―――」


「―――望絵!『あの子』がいる!
私が引き付けるから隠れて!!」


「えっ」





「………あなたの目…ちょーだい…?」





しゃべった。


『あの子』の声だ。



背後の気配がトイレの中に戻ったのを確認した私は、『あの子』に向かって声をかける。



「『あの子』!
私はこっち!こっちだよ!!」


「ちょーだい………あなたの………」



真横の廊下に飛び出した私は、『あの子』が来たのとは別の階段に向かって走る。



向かう場所は音楽室。



出入口が2つあって、さらに繋がっている準備室の出入口も考えると合計3つ。



ひとまず隠れて、それで見つかったら1つの出口から出て別の入り口から入る。


それを繰り返す…という作戦。



良かった、足音が聞こえて。


作戦を考える時間があった。




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