音の絆
わたし達は音楽室のドアの前に着いた。
しかし、音楽室からは楽器の演奏どころか人の話す声すら全く聞こえてこなかった。
「今日って吹部やってないのかな?」
「それはないんじゃないかな。
違う場所でやっているとかじゃない?」
わたし達が話していると肩を掴まれた。
わたし達はおどろいて後ろを振り向くとそこにはポニーテールの先輩らしき人がたっていた。
「あの....えっと....」
「君たち1年かな?1年生だよね??
やっぱり1年生はかわいいなー♡
ところで、吹奏楽部に興味はない?
というか、入らない?」
先輩からくりだされるマシンガンのような言葉におどろいていると、先輩の後ろから長い髪をおろした優しそうな先輩がやってきた。
「のぞみ。そんなに迫ったら1年生怖がっちゃうでしょ。」
「えー。だってせっかく来てくれた1年生だから、勧誘しようとおもってー。」
「その勧誘は恐怖を与えちゃうからやめなって、何回も言ってるのに....」
わたし達2人は先輩達の会話を横で見ていると長い髪の先輩がこちらにやってきた。
「のぞみがごめんね。この子結構変なところがあるから、怖がらせちゃったかな....?」
「え....あ、いえ。大丈夫です。」
「そぅ、よかった。
そういえば申し遅れたけど、私は櫻花高校吹奏楽部の部長の野崎愛海。愛する海と書いてあゆみと読むのよ。よろしくね。」
「よ、よろしくおねがいします。」
「それと、こっちにいるうるさいのが岡野望。これでも、一応副部長なのよ。」
「ちょっと、うるさいってのと一応っていらなくない?」
野崎先輩の紹介に不満があるようだが、とても楽しそうな雰囲気に私も自然と笑がこぼれた。
「そういえば、2人は吹奏楽部を見学しに来たのかな?」
「「はい!吹奏楽部に入部しに来ました。」」
「見学じゃなくて入部しに来たのね。
じゃあ、今度入部届持ってきておくね。」
野崎先輩は優しい笑顔で言うと
その場からいなくなった。
「今日、練習中庭なんだけど見に来る?」
「あ、はい!見に行かせてください!!」
その後わたし達は岡野先輩に連れられて中庭に移動した。

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