4月1日の彼の嫉妬と彼女の本音
4月1日の彼の嫉妬と彼女を本音
目を覚ますと、外は薄暗くなり始めていた。


昼御飯を食べてから薬を飲んだ後、ベッドに入ってすぐ記憶が無いから、ずいぶん、寝てしまったみたいだ。



手探りで体温計を探しだし、熱を測る。


ピピッという電子音がして、確認すると、37.8℃だった。


昨日に比べて、大分熱が下がったことにホッとする。


この分だと明後日には出社出来そう。


体はまだダルいけど汗をかいていて気持ちが悪い。

シャワーを浴びるべきか悩んでいると、携帯が鳴った。


『体調はどうですか?

食べたい物とかありませんか?何か買っていきます。』


波留からメールだった。


『ありがとう。でも、食欲はまだ無いし、移すと大変だから、いいよ。』


可愛いげがないとは思いつつも、そう返信した。


波留と私が所属するチームは今、大きなプロジェクトを抱えている。

先日、山場であるプレゼンは終えているものの、流石に、波留に風邪を移して二人揃って休みなんて言うのはマズイ。

それ以上に、みんなからどんな冷やかしを受けるかわからない。


そんなことを考えていると、波留からの返信が。


『それでも、何か食べないと。

すぐに帰りますから、移ったりしませんよ。』


そのメールを見て、思わず顔が緩む。


それと同時に、最初から素直に甘えられない自分たちの可愛いげの無さに呆れる。



『ありがとう。

じゃあ、何か飲み物をお願い!』


そう返信して、シャワーに向かった。
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