夜空に咲く花

気がつくと涙がこぼれていた。

それに気づいた裕二さんは
少し驚いていたけれど
何も言わずに黙っていた。

花火が終わって
屋台を少しまわってから
最終バスの時間がきてしまった。

バスが来るまで一緒に
待っていてくれたけれど
私たちは一言も話さなかった。
話したいことはあった。

お互いに同じことを
思っているような気がした。

でも二人とも、それを
言葉に、しなかった。
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