ランチタイムの王子様!
牛蒡と玉ねぎを切り終わると、鍋にバターを溶かして軽く炒める。しんなりしてきたら水と固形のコンソメを入れ、15分ほど煮る。
ミキサーに入れ滑らかになるまで撹拌したら、鍋に戻して牛乳を加えて温める。
王子さん曰く、ざらっとした食感が苦手なら濾してもいいとのこと。
塩胡椒で味を調えたらあとは冷蔵庫で冷やすだけで完成である。意外と簡単に本格的なポタージュが出来てしまうものだと、感心してしまった。
ポタージュを冷やしている間に、白身魚の下拵えをしてしまう。
今回使用する白身魚は夏から秋にかけて旬のイサキである。鯛や鱸でも十分美味しいそうだが、今日はスーパーでもお手軽に買えるイサキを使用する。もちろん、丸々一匹を捌くのだ。
「よく見ていてください」
流石にお魚を解体するのは初心者の私には難易度が高すぎるので、捌くところは王子さんにお任せして見学の体勢に入る。
鱗を綺麗に取り除いて、頭を切り落とす。ジイッと見ていると自分の首を切り落とされているような複雑な気持ちになる。
お腹に切れ目を入れて、内臓を掻き出し水で綺麗に洗うと、またイサキに包丁を入れる。
王子さんの目は真剣そのものだ。
魚を捌く男の人ってカッコいいなあ……。
淀みのない手つきに惚れ惚れしていると、イサキが三枚におろされていたばかりか、余った切り身はお造りにまで仕上がっている。