ランチタイムの王子様!
「グラタンだぁ!!」
「熱いので気を付けて下さいね」
「もしかして私の好物がグラタンだってこと、覚えておいてくれたんですか!?」
「さあ?どうでしょう?」
わざとすっとぼけた王子さんが、紙ナプキンに包んだスプーンを渡してくれる。
エビとマカロニ、そしてブロッコリーがごろっと入った特製グラタン。
このソースはもしや手作りですか?
焼き目がついてカリカリになっている端の方から、スプーンを差し込んで持ち上げると、トローンとチーズが蜘蛛の糸のように細く長く伸びていく。
なんて、美味しそうなんだろう……。
「いただきっまーす!!」
喜び勇んで口の中に入れると、熱々のソースに舌が火傷しそうになる。
「あつっ!!」
思わず口をはふはふと上下に動かすと、王子さんがすかさず冷たいお茶をくれた。
「大丈夫ですか?」
「らいろーふれす……」
大丈夫ですの一言が上手く言えなくて舌足らずになってしまう。
「本当にあなたって人は……あぶなっかしくて放っておけませんね」
「すいません」
テヘへと照れ隠しで頬をポリポリと掻く。