ランチタイムの王子様!

「失礼致します」

控室の扉をノックすると、中からすぐ返事があったのでそのまま扉を開ける。

「ひばり?」

「うわあ……。綺麗……」

私はウエディングドレスに身を包んだつぐみ姉を見るなり、感動してしまいその場から動けなくなった。

結婚式の時とは異なるシンプルな白のロングドレス。ミニ丈は脚を出すのがみっともないと言って避けてしまったようだが、これはこれでつぐみ姉のゴージャスな雰囲気に合っている。あとはパールホワイトのバラで作ったブーケを持てば完璧である。

「どうしたの?」

「先輩が新婦の様子を見てきなさいって……」

この様子だと支度の方はほとんど終わっている。あとは出番を待つばかり、よしよし。

「ああ、もしかして気を遣ってもらったのかしら?スタッフとはいえ、一応新婦の妹だものね。披露宴の前は皆、緊張するって言うし……」

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