ランチタイムの王子様!

「まあまあ。もう終わったことだしね。お姉さんも喜んでくれたみたいで良かったじゃない?」

「はい」

姉夫婦から粗品と丁寧なお礼状が届いたのは昨日のことだった。

“素敵なお披露目会をありがとうございました”

お礼状に添えられていた一言はきっと一生忘れない。

初担当の案件がつぐみ姉のお披露目会だったことは、物凄くラッキーだったのかもしれない。公私ともに心の奥底に刻まれる最高の思い出になった。

「若王子さんも褒めてたよ?怪我のことはともかく、初めてなのに良く頑張ってたって」

「本当ですか!?」

うわあー嬉しい!!

人伝とはいえ、王子さんからの評価も聞けて天にも昇る心地がする。

「そういえば、王子も当日はヘルプに行ったんだっけ?」

「そうです。さすが、若王子さんですよね。ヘルプなのにしっかり仕事してくれちゃいましたよ。おかげで助かっちゃいました」

お披露目会当日の王子さんの八面六臂の活躍を聞くと、麻帆さんはさも面白くなさそうに言った。

「ホントにあの男は何でも出来すぎて気に食わないわー」

麻帆さんは私達を笑わせるために、むきーっ!!と布のナプキンを噛んで悔しがるポーズをする。麻帆さんはこうやっていつも王子様然としている王子さん(ややこしい)を茶化すのがお好きなようだ。

< 165 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop