ランチタイムの王子様!
「大丈夫ですか?」
「……はい。こういう所はあまり慣れてなくて……」
「ただ食事を楽しめば良いんですよ。得意でしょう?」
「まあ、はい……」
そりゃあ、私は王子さんと違って作るより食べる方が得意ですよ……。
まだまだ全然王子さんには敵いませんからね!!
ぷうっと顔を膨らませて拗ねていると、早速前菜が運ばれてくる。
ギャルソンによる前菜の盛り合わせの説明を一通り聞き終え、フォークとナイフを取ってお料理を口に運び入れる。
じわっと甘みの広がるスモークサーモンと酸味の聞いたレモンソースにふふふと笑みがもれた。
「どうしました?」
「こういうレストランって料理の名前も難しいし、とっつきにくいなあって思ってたんですけど、やっぱり美味しいものは美味しいです!!」
「食材や調理法に思い入れある分だけ、名前も長くなると思えば敬遠する理由もなくなるでしょう?」
王子さんがグラスをゆっくりと口に運ぶ。