ランチタイムの王子様!

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「望月様」

「はい?」

豪華なディナーに気を良くし食後のお紅茶を頂いていると、ギャルソンが伝票らしき革製のバインダーを片手にテーブルへとやって来た。

(あれ?)

お支払いは招待券から賄われるはずだと、最初に聞いていたけれど追加料金でも発生したのだろうか。

首を傾げつつ説明を待っていると、ギャルソンは恭しくバインダーを開いてこう言った。

「お預かりしているものがございます」

バインダーに挟まっていたのは伝票でもなければ、追加料金の精算表でもない。

……夜空に煌めく星のような光眩いゴールドのカードだった。

「え?あ?なんですか、これ?」

「当ホテルのスイートルームのカードキーでございます」

「……え?」

私はあくまでも紳士的な態度のギャルソンに対し、ポカーンと口が半開きになった間抜け面を晒してしまった。

なぜ、スイートルームのキーが私の所に運ばれてくるんだ!?

新手の詐欺……?

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