ランチタイムの王子様!

王子さんと交代して浴室に入ると、可愛いピンクのバスローブの他にパジャマが洗面台に用意されているのを発見してホッとした。

襲われないと思っていても、バスローブはさすがに刺激が強すぎる。

メイクはするべき?落とすべき?

メイクを落とすと地味な顔つきがより一層貧相になるんだよなあ……。

でも、寝る時はメイクを落としてリラックスしたい。

照明は暗めだからきっとばれないだろうと高を括って、メイク落とし用のオイルを手に取る。

(朝一で起きよう……)

朝寝坊が大好きな私にとってはかなり危険な賭けになるが、すっぴんを見られたくないという乙女心よ、負けるな。

バラが浮かべてある広々とした浴槽に浸かり部屋に戻ると、王子さんがソファに座りカチカチとライターの火をつけたり消したり弄んでいた。

「吸いますか?」

レストランは禁煙だったし、そろそろニコチンが切れてきたのかもしれない。

「いいえ、大丈夫です。吸いたいわけではないので」

もしかして、王子さんも落ち着かないとか……?

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