ランチタイムの王子様!

いやいや。まさかまさか。

あれだけ挑発したのにピクリとも反応しなかった人ですよ?

それはないだろうと脳内で否定して、髪の毛を拭きながら隣に座ってテレビをつける。

時刻は既に夜の11時を回っている。ニュース番組を放送しているようなチャンネルは見つからず、適当なバラエティ番組にチャンネルを合わせる。

王子さんと同じ部屋でお揃いのパジャマを着て、当たり障りのないバラエティ番組を見ているなんてかなり変な感じである。

つい我慢できずにくすくすと笑いが漏れる。

「どうかしました?」

「いや~。王子さんみたいな人もバラエティ番組を見ているんだって思うとおかしくて……」

王子さんもお笑い芸人のしょうもないネタとか流行のギャグで笑ったりするんだろうか?

「あなたがどう思っているかわかりませんが、どこにでもいる普通の男ですよ。私は」

王子さんはそう言うと、リモコンでテレビの電源を消した。

「そろそろ寝ますか」


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