ランチタイムの王子様!

バラ風呂でささくれだった心と身体をリフレッシュさせ鼻歌交じりでバスルームから出ると、既に身支度を整えた王子さんはソファに座って部屋に届けられた新聞を読んでいた。

「早いですね。もう起きていたんですか?」

「王子さんこそ……」

「ええ。どっかの誰かさんのおかげでね。すっきりと目覚めることが出来ましたよ」

含みを持たせた言い方にドキリと心臓が跳ね上がる。心当たりがありまくりで、王子さんの顔がまともに見られない。

バーカって言ったこと、バレてる……!?

ひいっと恐怖で縮みあがっていると、王子さんが新聞紙を丸めたものでポコンと私の頭を叩いた。

「あてっ!!」

「悪口もほどほどにしておきなさい。お待ちかねの朝食が不味くなりますよ。眉なしさん」

眉なしという単語にサッと反応して眉毛を手で隠したのを見て、王子さんはふふんと勝ち誇ったように鼻で笑った。

昨夜はすっぴんでも眉毛だけは死守していたのに、バラ風呂の誘惑に負けた今となっては跡形もない。

うわーん!!すっぴん見られた!!

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