ランチタイムの王子様!
(私の家と切り方同じだ……)
おふくろの味の定番でもある味噌汁。実家の味を思い出して、しばし懐かしい気分に浸る。
「試食しましょうか?」
「はい」
お椀一杯に味噌汁をよそってダイニングテーブルにつくと、王子さんが炊飯器を開け、炊きたてのご飯まで用意してくれた。
ふたり揃ったところでいただきますと手を合わせ、件の味噌汁に口をつける。
お味噌の味と、ホッとする温かさに、ほああっと顔を綻ぶのが分かった。
「美味しいですか?」
「はい……!!」
そう言うと、王子さんは満足げに微笑み、己のお椀に箸をつけ始めた。
あうう……。その笑顔は反則ですって!!
不意打ちのような笑顔は私の動きをぎこちなくさせる。
「これから具材を決めていきましょう。味噌汁に入れたい食材、試したい食材があったらどんどん言ってください」
「分かりました!!」
それから私達は時間の許す限り、味噌汁に入れる具材について語り合ったのだった。