ランチタイムの王子様!
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吟味に吟味を重ね、私と王子さんが納得できる味噌汁が出来上がったのは、それから数日後のことである。
「できましたね!!」
むふふと変態的なニヤニヤ笑いを湛えながら、王子さんの顔を見上げる。
お肉、大根、人参、生姜、彩りに小葱を散らした王子さんお手製の味噌汁は先ほどから絶えず私の胃を刺激してくる。
新メニューを考え始めて2週間。ようやくまともな試作品一号が完成したのだった。
「味噌汁というよりは豚汁になりましたけどね」
「お肉は欠かせませんもん。ビタミンB1は疲労回復にぴったりって本にも書いてありましたし、生姜は冬場に身体を温めるには良いでしょう?それから……」
「分かりました、分かりました。私が悪かったです」
ムキになって具材の効能を話し出した私を、王子さんが慌てて止めに入る。
具材に関してはかなり私の意見を取り入れてもらったのだ。その代わり原価や利益率といった細かい数字関連は王子さんに完全に任せてしまったわけだけれど……。