ランチタイムの王子様!
私は王子さんから頂戴したおかずを喜び勇んでご相伴に預かることにした。
作業台の上にはご飯とおかず。
厨房の隅に置いてあったパイプ椅子を持ってきてと、王子さんの隣に仲良く並ぶ。
いただきますと揃って合掌すると、盛り付けの間にも涎を垂らしそうになっていたつくねを頬張る。
どこかで見たことあるなと思っていたら、王子さんのお弁当によく入っているやつだな、お前は!!
「うー!!美味しい!!」
バタバタと足を鳴らしたいのを堪えて、つくねに最大級の賛辞を送る。
信じられない!!パーフェクトッ!!つくねの中のつくねっ!!
噛めば噛むほどとり肉の甘みが染み出て、ふわふわの生地の中に蓮根のシャキッとした食感が弾ける。その身に纏った黄金色に輝く甘辛いタレの包容力といったら、世の独身女性を虜にすること請け合いである。
……つまり、文句なしに美味い。
急にテンションの上がった私とは対照的に、王子さんは静かにご飯とつくねを交互に口に運ぶ。
「あなたは本当に美味しそうに食べますね」
「だって美味しいですもん!!」
王子さんが作ったおかず達……コールスローや煮物も絶品で、私は大満足であっという間に平らげてしまったのだった。