ランチタイムの王子様!
苦労の末、完成したハンバーグは蛍光灯に照らされて、キラキラと輝いていた。
「ハンバーグだあ……」
私は感激のあまりハンバーグがのったお皿を上から、下から、斜めからあらゆる角度から眺める。
おっと、こうしちゃいられない。写真、写真!!
こんなに美しいハンバーグなんて二度と拝めそうもないので、記念に残しておくために携帯のカメラのシャッターを切る。
「何をそんなに感動しているんですか?」
「だってちゃんとハンバーグなんですもん!!」
お皿にのっているのはハンバーグ以外の何物でもない。
その事実が嬉しくて、ついニコニコとしまりのない笑みを浮かべてしまう。
「ハンバーグを作ろうとして、ハンバーグ以外の物が出来上がるなんてことあるんですか?」
……それがあるんですよ。びっくりなことに。
正直に話すとまた鼻で笑われそうなので、心の奥にしまっておく。