ランチタイムの王子様!

「それなら一緒に買いに行きましょうか?あなたに任せたら余計なものまで買いそうですからね」

「……へ?」

「明日なら予定もありませんし、どうですか?」

どうですかって……もしかして私の予定を聞いているの!?

「あ、明日ですか!?」

「明日だと不都合がありますか?」

「いえ!!滅相もございません!!一緒に出掛けるような人もいませんし!!」

王子さんの迫力に負けて、つい余計なことまで白状してしまった。

これじゃ、休日に遊んでくれる友達がひとりもいないみたいじゃないか……。

王子さんはふっと堪えるように口元を手で押さえた。

(あ、笑った……)

「それでは、暇な望月さんの買い物に付き合いましょう」

王子さんは待ち合わせの場所と時間を確認すると、チリビーンズの煮込み具合を確かめにキッチンに向かった。

料理を習いだしてから、彼の色んな表情を知ることとなった。

多分、会社の誰もこんな王子さんがこんなに笑う人だって知らないんだろうな……。

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