ランチタイムの王子様!
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私にとって二度目となるルージュランチが開催されたのは、王子さんと買い物に行った次の週のことであった。
例のごとく会議室にはずらっと社員お手製の料理が並ぶ。
夏の暑さを吹き飛ばすような勇ましいスタミナ料理、これでもかと汗をかくための激辛料理、食欲をそそるように酸味のきかせた料理などこれまた種類は様々だった。
どうやら、春には春の、夏には夏の、季節に寄ってトレンドというものがあるようだ。
「望月さんは何を作ったの?」
これまた旦那様の好物だというきゅうりの梅和えを作ってきた麻帆さんが取り皿片手に尋ねてくる。
私は持ってきたタッパーの蓋をえいやっと気合を入れて開けた。
「うわあ、美味しそうなハンバーグ!!」
「ちょっと焦がしちゃったんですけど……。食べてもらえますか?」
……そう、私が悩んだ挙句にルージュランチに持ってきたのはハンバーグであった。
焦げた部分は王子さん直伝のケッチャップと中濃ソースで作ったハンバーグソースに絡めることで誤魔化した。
レストランで出しているような綺麗な小判型ではない。ところどころひき肉が剥がれ落ちているし不格好だったが、何度も何度も味見をして作った私の精一杯の手料理である。
それでも、自分で作ったのだと思うと誇らしい気持ちで一杯になる。