婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
拓哉はなつの手に指輪を握らせた。
「あのさ、なっちゃん。こんなんで諦めちゃっていいの? 別れた理由も聞けないで納得なんてできるの?」
なつはブルブルと首を振る。
「納得なんてできないけど………。無理だよ。どうせ指名したって来てくれないだろうし、あんなに嫌らわれてるんだから」
「俺を指名すればいいよ。俺が響さんと話できるように協力してあげるから。ね? 諦めないでもう一度ぶつかってみたらどう?」
「拓哉さん……」
本当はなつだって諦めたくなかった。
けれど、圭司に拒絶されたショックで自分がどうするべきかが分からなくなってしまったのだ。
「とりあえず、名刺渡しておくね。くる前に一応携帯に電話して? 休みの日だといけないから」
「う、うん……」
なつが頷くと、拓哉はにっこりと笑って店へと戻って行った。