婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
番外編
圭司と籍を入れて、もうすぐ一年になろうとしていた。
大学卒業まであと半年。
卒業後は正社員としてちゃんと仕事に就きたいと考えているのだけど、就活が上手くいかず実は少し悩んでいたりする。
一方、スポーツメーカーに就職した圭司は、入社一年目からトップの営業成績を取り、社内でも評価されているのだという。
仕事ができてルックスも良い。そんな圭司を周りの女子社員達がほっとくはずもなく、圭司のスーツのポケットからは、毎回連絡先が書かれたメモが出てくるのだ。
椅子にかけてある上着に勝手に入れられてしまうから防ぎようがないと、本人は言うのだけれど。
昨夜もそれが原因で少し喧嘩になってしまった。
いつまでもいじける私に圭司がキレた。
『嫌な思いをさせたのは悪かったよ。でも不可抗力だから仕方ないだろ。帰りに気づいても個人情報だし、その辺に捨てる訳にもいかないんだから。つうか、いつまで拗ねてんだよ。ほんっと面倒くせえな』
めんどくさい…。
圭司の放った言葉に無性に腹が立ち、昨夜から一言も口をきいていない。
圭司の方も何のフォローをするでもなく。
『今日は遅くなるから』とメールだけ入れて、そのまま家を出て行ってしまった。