婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
『本当はなつも皆なみたいに働きたいんじゃない? 結婚したからって俺に遠慮することなんかないからね。家事だって二人で分担すればいいんだし、もしなつが仕事をしたいなら俺は喜んで応援するから』
そんな圭司の言葉で私は就活を始めた。
幼い頃から、【仕事はせずに妻として夫を支えなさい】と言われてきた私に、圭司の言葉は夢を与えてくれたのだ。
仕事をしている自分なんて今まで想像したこともなかったけれど、とにかく嬉しくなってすぐにリクルートスーツを買いに行った。
けれど、現実はそんなに甘くはなかった。
周りの友人達が次々と内定をもらう中、私だけがことごとく落とされて、気付けば一人だけ取り残されていた。
面接に失敗する度に自信を無くし、追いつめられていった。
今日の面接だってきっとダメだ。
自己アピールは空回り、勉強したとおりに志望動機を言ってみても面接官の反応はイマイチだった。
私は夕食も食べずに、暗い寝室のベッドの中で悶々と考えていた。