太陽に恋をして
「私の知ってるゆづは酔うとすぐ寝たし、寝起きは悪くてなかなか起きなかったし、虫が出たら怖いって逃げてきたし、猫舌でいつまでもふぅふぅしてたの…」


「なにそれ。ただのヘタレじゃない」


美月ちゃんはあきれたように笑った。


「私の知ってる唯月は、酔ってもすぐに寝ないし、朝はパッと起きるし、虫は素手で掴むし、熱いものも平気で食べてたよ。ヘタレなんかじゃなかった。私にとっては頼れる弟だったよ」


私は美月ちゃんを見た。
美月ちゃんも私を見た。


ああ、そういうことかと。

なんだ、そういうことだったのかと。



気づいた。

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