太陽に恋をして
「大好きだよ」
って言えてたら、なにかが変わっていたのかな。


男として意識してもらえる距離を取っていればよかったのかな。


いろいろ考えるけど、やっぱり無理だったと思う。

誰よりも、楓佳のそばにいたかった。
楓佳のママにさえ負けなくなかった。
それくらい、そばにいたかった。



「そろそろかな」


時計を見ると、ちょうど待ち合わせの時間だった。


太陽の塔の真正面に向かい、美月と歩睦の姿を探す。


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