太陽に恋をして
あゆあゆを真ん中に挟んで、三人で手をつないで川沿いの道を歩く。
楽しくてたまらない、といった様子でぴょんぴょん跳ねるあゆあゆの手は小さくて温かい。
家を出る前、美月ちゃんがあゆあゆにかぶらせた紺色のニットの帽子はpetite lapinのものだ。
ブランドをしめす子ウサギの刺繍がしてある。
「この帽子、この間ゆづがうちのお店で買ってくれたやつ?」
「そう。ふうちゃんおすすめのニット帽」
「かわいいね」
空いてる左手の人差し指であゆあゆの頬をつつきながらそう言うと、恥ずかしそうにふふふ、と笑う。
柔らかくて温かくてかわいくて、あゆあゆはまるで妖精みたいだ。
あと少しでスーパーに着くというところで、あゆあゆは急に道の端っこに行くと座り込んだ。
道ばたに落ちていた小さめのブロックを慎重にひっくり返し、何かを真剣に探している。
「歩睦?どした?」
唯月がかがみこんで不思議そうに尋ねると、
「いない」
あゆあゆはしょんぼりしてブロックを元に戻す。
「あゆあゆ、何探してたの?」
「ダンゴムシ」
再び、私と唯月の手を握って、ぴょんぴょん跳ねながらあゆあゆは言う。
「あーゆーとこによくいるの」
「あゆあゆ、虫が好きなんだ」
「だーいすき」
ちらっと横目で唯月を見上げてから、私は意地悪な気持ちになって言う。
「ゆづは虫が苦手なんだよー」
「え?ゆづき、虫こわいの?」
「そうだよ。だって部屋に蜘蛛が出たって言って、楓佳ちゃんのうちに逃げてきたりするんだよー」
「ゆづき、よわむしー」
「だよねー」
言いながら、唯月を見上げると、頬をふくらませて拗ねている。
「歩睦、今日は一緒に寝てやらないからな」
「いいもん。ふーかちゃんと寝るもん」
「だめ」
「なんで?」
あゆあゆの質問に、唯月は大真面目に答える。
「歩睦は男だから」
なにそれ?
唯月だって私と一緒に寝てるじゃない。
私にとってはあゆあゆと寝るのも唯月と寝るのも変わらないのに。
「ローレラだっけ?買うの」
スーパーに入って、あゆあゆを乗せたカートを押しながら唯月が呟く。
「ローリエだよ」
私が言い返すと、あゆあゆが楽しそうにキャッキャッと笑った。
楽しくてたまらない、といった様子でぴょんぴょん跳ねるあゆあゆの手は小さくて温かい。
家を出る前、美月ちゃんがあゆあゆにかぶらせた紺色のニットの帽子はpetite lapinのものだ。
ブランドをしめす子ウサギの刺繍がしてある。
「この帽子、この間ゆづがうちのお店で買ってくれたやつ?」
「そう。ふうちゃんおすすめのニット帽」
「かわいいね」
空いてる左手の人差し指であゆあゆの頬をつつきながらそう言うと、恥ずかしそうにふふふ、と笑う。
柔らかくて温かくてかわいくて、あゆあゆはまるで妖精みたいだ。
あと少しでスーパーに着くというところで、あゆあゆは急に道の端っこに行くと座り込んだ。
道ばたに落ちていた小さめのブロックを慎重にひっくり返し、何かを真剣に探している。
「歩睦?どした?」
唯月がかがみこんで不思議そうに尋ねると、
「いない」
あゆあゆはしょんぼりしてブロックを元に戻す。
「あゆあゆ、何探してたの?」
「ダンゴムシ」
再び、私と唯月の手を握って、ぴょんぴょん跳ねながらあゆあゆは言う。
「あーゆーとこによくいるの」
「あゆあゆ、虫が好きなんだ」
「だーいすき」
ちらっと横目で唯月を見上げてから、私は意地悪な気持ちになって言う。
「ゆづは虫が苦手なんだよー」
「え?ゆづき、虫こわいの?」
「そうだよ。だって部屋に蜘蛛が出たって言って、楓佳ちゃんのうちに逃げてきたりするんだよー」
「ゆづき、よわむしー」
「だよねー」
言いながら、唯月を見上げると、頬をふくらませて拗ねている。
「歩睦、今日は一緒に寝てやらないからな」
「いいもん。ふーかちゃんと寝るもん」
「だめ」
「なんで?」
あゆあゆの質問に、唯月は大真面目に答える。
「歩睦は男だから」
なにそれ?
唯月だって私と一緒に寝てるじゃない。
私にとってはあゆあゆと寝るのも唯月と寝るのも変わらないのに。
「ローレラだっけ?買うの」
スーパーに入って、あゆあゆを乗せたカートを押しながら唯月が呟く。
「ローリエだよ」
私が言い返すと、あゆあゆが楽しそうにキャッキャッと笑った。