太陽に恋をして
万博公園に行った日はものすごく晴れた日だった。
季節は覚えてないけど、とにかくよく晴れた日で青空と緑の芝生の中に、バカみたいにデカイ太陽の塔が立っていて、すぐ真下まで行った俺はあまりの大きさと迫力に心を奪われた。
確か、高さは60メートルだから東京タワーの方がはるかに大きいのに、太陽の塔の存在感は実際の数値を越えていて、俺は鳥肌がたった腕を無意識にさすっていた。
――楓佳みたい――
なんとなくそう思った。
その頃から俺は楓佳が好きで、楓佳はいつも心の中にいたし、その存在は俺にとっては大きかった。
笑えるくらいおかしくて不思議な顔なのに、なぜか神々しくもあって、なによりデカイ。
どこからでも、その存在が見つけられる気がする。
そんな太陽の塔と楓佳が、なぜか俺の中でひとつになった。
「ふうちゃん、実際見たらまじですごいんだって」
まだ不満げな顔をしている楓佳に話しかける。
「塔の中には四つ目の顔があるらしいぞ?」
「あ、そ」
のびをしながら、どうでもよさそうに返事をした後、楓佳は55巻を開く。
いつか、二人で見に行こうか。
その言葉を飲み込んで、俺は歩睦の横に寝転がった。
季節は覚えてないけど、とにかくよく晴れた日で青空と緑の芝生の中に、バカみたいにデカイ太陽の塔が立っていて、すぐ真下まで行った俺はあまりの大きさと迫力に心を奪われた。
確か、高さは60メートルだから東京タワーの方がはるかに大きいのに、太陽の塔の存在感は実際の数値を越えていて、俺は鳥肌がたった腕を無意識にさすっていた。
――楓佳みたい――
なんとなくそう思った。
その頃から俺は楓佳が好きで、楓佳はいつも心の中にいたし、その存在は俺にとっては大きかった。
笑えるくらいおかしくて不思議な顔なのに、なぜか神々しくもあって、なによりデカイ。
どこからでも、その存在が見つけられる気がする。
そんな太陽の塔と楓佳が、なぜか俺の中でひとつになった。
「ふうちゃん、実際見たらまじですごいんだって」
まだ不満げな顔をしている楓佳に話しかける。
「塔の中には四つ目の顔があるらしいぞ?」
「あ、そ」
のびをしながら、どうでもよさそうに返事をした後、楓佳は55巻を開く。
いつか、二人で見に行こうか。
その言葉を飲み込んで、俺は歩睦の横に寝転がった。