太陽に恋をして
〜side 唯月〜
西澤さんと食事に行ってから、一週間が経つ。
西澤さんはあの日から泣いていない。
仕事中に叱られてるのはしょっちゅう見かけるけど、その度に眉を下げて泣きそうな顔にはなるけど、うさぎみたいな赤い目はしていない。
よかったと思う。
やっぱり泣いてるより、笑ってる方が楽しいし、なんて思いながら、仕事帰りに、楓佳の部屋のインターホンを押した。
しばらく待っていると、ガチャっと勢いよくドアが開いて、部屋着姿の楓佳がたっていた。
楓佳と一緒に部屋の中から温かい空気が出てきて、俺を包む。
楓佳の家の香り。
「なぁ、ふうちゃん。いつも言ってるけど、ちゃんと確認してからドア開けてる?ドアチェーンくらいしたら?」
「こんな非常識な時間に、インターホン押すのはゆづくらいでしょ」
楓佳は、髪を頭の上で適当にお団子にしていた。
「で、今日はなに?」
「ふうちゃんにお土産」
手にした紙袋を見せると、楓佳の顔がふわりと緩む。
「入れて?」
しょうがないな、と精一杯嫌そうな顔をしながらも、楓佳の声はさっきよりも弾んでいる。
西澤さんはあの日から泣いていない。
仕事中に叱られてるのはしょっちゅう見かけるけど、その度に眉を下げて泣きそうな顔にはなるけど、うさぎみたいな赤い目はしていない。
よかったと思う。
やっぱり泣いてるより、笑ってる方が楽しいし、なんて思いながら、仕事帰りに、楓佳の部屋のインターホンを押した。
しばらく待っていると、ガチャっと勢いよくドアが開いて、部屋着姿の楓佳がたっていた。
楓佳と一緒に部屋の中から温かい空気が出てきて、俺を包む。
楓佳の家の香り。
「なぁ、ふうちゃん。いつも言ってるけど、ちゃんと確認してからドア開けてる?ドアチェーンくらいしたら?」
「こんな非常識な時間に、インターホン押すのはゆづくらいでしょ」
楓佳は、髪を頭の上で適当にお団子にしていた。
「で、今日はなに?」
「ふうちゃんにお土産」
手にした紙袋を見せると、楓佳の顔がふわりと緩む。
「入れて?」
しょうがないな、と精一杯嫌そうな顔をしながらも、楓佳の声はさっきよりも弾んでいる。