太陽に恋をして
「ゆづ、どれが食べたい?」
楓佳はラグの上にチョコを並べて目を輝かせる。
「どれでもいいよ。ふうちゃん選びなよ」
「じゃあこれ」
楓佳が選んだのは、帰りに西澤さんがくれたものだった。
薄いピンクの箱に、白いレースのリボンがついていて、まるで西澤さんみたいな小さい箱。
それを見ながら、今日の帰りのことを思い出す。
「唯月くん、この前はありがとう」
そう言って、西澤さんはこの小さな箱を俺に手渡した。
「あー、ありがと」
そんなに気を遣わなくていいのにと思いながら、じゃあお疲れ様、といいかけると、
「あのね、唯月くん」
西澤さんが俺のダッフルコートの袖をつかんで呼び止めた。
「私、友だちの出産祝いになに買ったらいいかわかんなくて、店長に聞いたら唯月くんのお友だちがベビー服のお店で働いてるから教えてもらえばって…」
「あー、うん。それ、petite lapinっていう店。駅の近くの百貨店の7階にあるから行ってみたら?」
「…あの…じゃなくて。一緒に選んでもらえない、かな?」
このチョコはこれあげるから、一緒に着いてきてよって意味だったのか。
「…無理かな?」
無理です、僕忙しいので。
そう言えたら、どんなに楽だろう。
軽々しくチョコを受け取った数分前の自分を恨む。
「…来週の店休日の午前中なら、大丈夫、です」
確か、その日は楓佳は遅番だったから。
楓佳がいない時にササッと行って帰ろう。
西澤さんと二人でいるところを楓佳に見られるのは嫌だから。
例え、そんなところを見たって、楓佳がなんにも感じないとしても。
俺が、楓佳に平気な顔で接客されるなんて、耐えられないから。
楓佳はラグの上にチョコを並べて目を輝かせる。
「どれでもいいよ。ふうちゃん選びなよ」
「じゃあこれ」
楓佳が選んだのは、帰りに西澤さんがくれたものだった。
薄いピンクの箱に、白いレースのリボンがついていて、まるで西澤さんみたいな小さい箱。
それを見ながら、今日の帰りのことを思い出す。
「唯月くん、この前はありがとう」
そう言って、西澤さんはこの小さな箱を俺に手渡した。
「あー、ありがと」
そんなに気を遣わなくていいのにと思いながら、じゃあお疲れ様、といいかけると、
「あのね、唯月くん」
西澤さんが俺のダッフルコートの袖をつかんで呼び止めた。
「私、友だちの出産祝いになに買ったらいいかわかんなくて、店長に聞いたら唯月くんのお友だちがベビー服のお店で働いてるから教えてもらえばって…」
「あー、うん。それ、petite lapinっていう店。駅の近くの百貨店の7階にあるから行ってみたら?」
「…あの…じゃなくて。一緒に選んでもらえない、かな?」
このチョコはこれあげるから、一緒に着いてきてよって意味だったのか。
「…無理かな?」
無理です、僕忙しいので。
そう言えたら、どんなに楽だろう。
軽々しくチョコを受け取った数分前の自分を恨む。
「…来週の店休日の午前中なら、大丈夫、です」
確か、その日は楓佳は遅番だったから。
楓佳がいない時にササッと行って帰ろう。
西澤さんと二人でいるところを楓佳に見られるのは嫌だから。
例え、そんなところを見たって、楓佳がなんにも感じないとしても。
俺が、楓佳に平気な顔で接客されるなんて、耐えられないから。