太陽に恋をして
「おいしそー」


楓佳は箱を開け、4つ並んだトリュフを見て声をあげる。


「ひとつは、ゆづ食べていいよ。くれた人にも悪いし」


楓佳は4つのうちの1つを指先でつまむと、俺の口にほうりこんだ。


「おいしい?」


俺がうんうん、とうなづくと、楓佳は自分も1つ口にして、あまぁいとうっとりする。


「私、朝昼晩ごはん三食チョコでもいいな。ゆづもでしょ」


俺がミルクを飲みながら、うんとうなづくと楓佳も、だよね、と大きくうなづいて、

「ゆづがモテるおかげで私は年に一度、お腹いっぱいチョコが食べれてしあわせだ」


アザラシの抱き枕をぎゅうっと抱いた。


「…ふうちゃん、今日泊まっていい?」


「それとこれとは話が別」



それまで、とろとろしていたくせに、急にピシッと言われてしまった。



「…ふうちゃん、シャワー貸して」


「ちょっと!!今の聞こえなかった?」


「ふうちゃん、寝る前にちゃんともう一回歯みがきしないと虫歯になるよ」


「あっ、こら待て!」


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