太陽に恋をして
いつもなら待ち遠しいはずの月に一度の店休日も、今月に限ってはそうではなかった。
待ち合わせの場所に向かう電車の中、次々と変わる景色を見ながら、はぁとため息をつくと目の前のドアが白く曇る。
どうせ楓佳は仕事だし、一緒に過ごせるわけじゃないんだけど、なんでわざわざこんな寒い日にこうして外に出なきゃならないんだろう。
西澤さんのことが嫌いなわけじゃない。
だけど、休みの日にまで会いたいとは思わない。
休みの日もそれ以外のなんでもない日も、俺が一緒にいたいは楓佳だけなのに…。
駅の大きなモニターの前は、待ち合わせスポットになっていて、待ち人を探す人々であふれていた。
「あっ、唯月くんっ」
ふわふわと髪を揺らしながら、白いコートを来た西澤さんが駆け寄ってきた。
白いコートの中には、ベビーピンクの柔らかそうなセーターを着ている。
「ごめん、遅くなって…」
モニターの上のデジタル時計を見ると、約束の10時を5分ほど過ぎていた。
「いいよ、いいよ。大丈夫」
早口でそう言いながら西澤さんはにっこりと笑う。
「じゃあ、いこっか」
百貨店まで歩きながら、楓佳が遅番だから、もしかしたら加奈さんが早番かもしれないと思う。
加奈さんのことだから、なにか事情があることは察してくれるだろう。
「…あれ?」
駅の構内を、人混みをすり抜けながら歩いていたら、いつのまにか西澤さんの姿が消えていた。
辺りを見回していると、人混みの間から西澤さんがやってくる。
「唯月くん、歩くの早いよ…」
ごめん、と謝りながら、楓佳のことを考えていた。
待ち合わせの場所に向かう電車の中、次々と変わる景色を見ながら、はぁとため息をつくと目の前のドアが白く曇る。
どうせ楓佳は仕事だし、一緒に過ごせるわけじゃないんだけど、なんでわざわざこんな寒い日にこうして外に出なきゃならないんだろう。
西澤さんのことが嫌いなわけじゃない。
だけど、休みの日にまで会いたいとは思わない。
休みの日もそれ以外のなんでもない日も、俺が一緒にいたいは楓佳だけなのに…。
駅の大きなモニターの前は、待ち合わせスポットになっていて、待ち人を探す人々であふれていた。
「あっ、唯月くんっ」
ふわふわと髪を揺らしながら、白いコートを来た西澤さんが駆け寄ってきた。
白いコートの中には、ベビーピンクの柔らかそうなセーターを着ている。
「ごめん、遅くなって…」
モニターの上のデジタル時計を見ると、約束の10時を5分ほど過ぎていた。
「いいよ、いいよ。大丈夫」
早口でそう言いながら西澤さんはにっこりと笑う。
「じゃあ、いこっか」
百貨店まで歩きながら、楓佳が遅番だから、もしかしたら加奈さんが早番かもしれないと思う。
加奈さんのことだから、なにか事情があることは察してくれるだろう。
「…あれ?」
駅の構内を、人混みをすり抜けながら歩いていたら、いつのまにか西澤さんの姿が消えていた。
辺りを見回していると、人混みの間から西澤さんがやってくる。
「唯月くん、歩くの早いよ…」
ごめん、と謝りながら、楓佳のことを考えていた。