太陽に恋をして
ソムリエがワインを注ぎ終わるのを待って、柳原さんが口を開いた。
「楓佳ちゃんはどうしてpetite lapinで働いてるの?」
「就活してた頃、ちょうど幼馴染みに甥っ子が生まれたんです。一緒にお祝い買いにいった時に、petite lapinの服があまりにかわいくてそれで…」
ウォッシュチーズに添えられたドライフルーツを口にしながら、私はゆっくり答える。
「私、すごい人見知りだから、接客業なんて考えてなかったんですけど…ゆづ、あ、幼馴染みがpetite lapinなら子どもが相手だから大丈夫じゃないって言うから…」
言いながら、私は思わずくすくすと笑い出してしまう。
「入社してから思ったんですけど、子ども服だからって、子どもが買いに来るわけじゃなくて、買うのは大人なんですよね。2年経って、ようやく慣れてきたところです」
三年前、生まれたてのあゆあゆに着せる、小人たちが仕立てたような小さなベビー服を眺めながら、私は判断力が鈍ったのかもしれない。
唯月のアドバイスを真に受けるなんて。
「今はどう?接客楽しい?」
「はい、今は」
柔らかなキャンドルの灯り越しに、柳原さんがにっこりと笑うのが見える。
「それなら幼馴染みのアドバイスは案外正解だったのかもしれないね」
「楓佳ちゃんはどうしてpetite lapinで働いてるの?」
「就活してた頃、ちょうど幼馴染みに甥っ子が生まれたんです。一緒にお祝い買いにいった時に、petite lapinの服があまりにかわいくてそれで…」
ウォッシュチーズに添えられたドライフルーツを口にしながら、私はゆっくり答える。
「私、すごい人見知りだから、接客業なんて考えてなかったんですけど…ゆづ、あ、幼馴染みがpetite lapinなら子どもが相手だから大丈夫じゃないって言うから…」
言いながら、私は思わずくすくすと笑い出してしまう。
「入社してから思ったんですけど、子ども服だからって、子どもが買いに来るわけじゃなくて、買うのは大人なんですよね。2年経って、ようやく慣れてきたところです」
三年前、生まれたてのあゆあゆに着せる、小人たちが仕立てたような小さなベビー服を眺めながら、私は判断力が鈍ったのかもしれない。
唯月のアドバイスを真に受けるなんて。
「今はどう?接客楽しい?」
「はい、今は」
柔らかなキャンドルの灯り越しに、柳原さんがにっこりと笑うのが見える。
「それなら幼馴染みのアドバイスは案外正解だったのかもしれないね」