太陽に恋をして
「あ!ゆづ!」
見慣れた黒色のRV車が少し離れた場所にとまったのを見て、私は思わず駆け寄った。
「ふうちゃん、おまたせ」
「ゆづ、ありがとう」
運転席に座る唯月とドア越しに話してから、柳原さんを振り返る。
「柳原さん、ご馳走さまでした。また明日。お疲れ様です」
ぺこりとお辞儀をすると、柳原さんは片手をあげて反対方向に歩き出した。
それを見送って、助手席に座ったあとで、はっと思い出す。
「ゆづに柳原さんの瞳の模様、見せるの忘れてた!」
唯月をみると、唯月は前をじっと見たまま怖い顔をしている。
「ねぇ、ゆづ。あのね、柳原さんのね…」
「今、話しかけないで。雪道で集中してるから」
「あ、ごめん」
珍しく真面目な顔をする唯月の横顔を見ながら、唯月ってこんな顔だっけ、と急に思った。
こんな真面目な顔、久しぶりに見たような気がする。
「…ふうちゃんさ」
赤信号でとまった時に、唯月が口を開いた。
「なぁに?」
「…やっぱいい。なんでもない」
「なによ、そういうの気になるからやめてよ」
それからいくら私が話しかけても、唯月は一言も話さなかった。
ただ黙って、真面目な顔で車の運転をしていた。
やんだと思っていた雪が、またふわふわと降り始めていた。
見慣れた黒色のRV車が少し離れた場所にとまったのを見て、私は思わず駆け寄った。
「ふうちゃん、おまたせ」
「ゆづ、ありがとう」
運転席に座る唯月とドア越しに話してから、柳原さんを振り返る。
「柳原さん、ご馳走さまでした。また明日。お疲れ様です」
ぺこりとお辞儀をすると、柳原さんは片手をあげて反対方向に歩き出した。
それを見送って、助手席に座ったあとで、はっと思い出す。
「ゆづに柳原さんの瞳の模様、見せるの忘れてた!」
唯月をみると、唯月は前をじっと見たまま怖い顔をしている。
「ねぇ、ゆづ。あのね、柳原さんのね…」
「今、話しかけないで。雪道で集中してるから」
「あ、ごめん」
珍しく真面目な顔をする唯月の横顔を見ながら、唯月ってこんな顔だっけ、と急に思った。
こんな真面目な顔、久しぶりに見たような気がする。
「…ふうちゃんさ」
赤信号でとまった時に、唯月が口を開いた。
「なぁに?」
「…やっぱいい。なんでもない」
「なによ、そういうの気になるからやめてよ」
それからいくら私が話しかけても、唯月は一言も話さなかった。
ただ黙って、真面目な顔で車の運転をしていた。
やんだと思っていた雪が、またふわふわと降り始めていた。